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迷ったら本を読む。

読書記録*ラストレター(さだまさし著)

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さだまさしさんといえば

もちろん歌手なんだけど

 

わたしは好きなんだなぁ。

さださんの小説。

 


 

 

昔、映画化された"解夏"。

あの本もとっても好き。

そこから見つけるごとに読んできた。

 

 

今日の「ラストレター」は

ありふれた紹介文だけれど

"笑ってクスッと泣ける"

この言葉がぴったりだった。。。

いや、逆かな。

"泣けて笑える"一冊。

 

 

とあるラジオ局のお話。

 

主人公はアナウンサー4年目の寺島尚人。

 

その他たくさんの登場人物がいて

それぞれ個性がすごい。

ものすごい強烈。

 

中でも、アンドレ・ザ・ジャイアント似だという

大越さん(なぜか"さん"付けしたくなる人物)は

ずば抜けている。

この人が叫ぶ放送禁止用語が何なのか、

わたしにはよくわからないけど

実在していたら、一度遠目から見てみたいくらい。

 

主人公は

この大越さんのひょんなお説教から

土曜深夜の番組を任せられることになる...

 

 物語の人物のふとした言葉に

ハッとさせられて

泣けて

ちゃんと笑わせてくれた。

 

こういう本は久々かも。

 

タイトルの"ラストレター"は

ラジオ番組のコーナー名。

 

読む楽しみがなくなってしまうから

あまり内容には触れないでおこうかなと。

 

わたしなら

本当にこんなラジオ番組があったら

絶対聞きたいなと思う。

 

ラジオって自分の好きな局を探すのも

楽しみのひとつだよなぁ、なんて。

ラジオを毎日聞いていた昔を思い出した。

 

 

全体とおして明るく

気負わず読めて楽しかった。

 

わたしも土曜の夜中、日が変わるまで起きて

言ってみよう。

 

「ありがとう。さようなら今週!

 いってらっしゃい来週!」

 

 

おしまい。

 


 

 

読書記録*金持ち父さん貧乏父さん(ロバート・キヨサキ著)

今日は自己啓発本からお金の哲学を。

 

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訳:白根美保子さん

 


 

 

ひとことで言うと・・・

本の表紙にあるとおり

アメリカのお金持ちが

お金と人生についての考え方を書いた本。

 

実はお父さんが2人いるわけではなく

本当のお父さん=貧乏父さん

友人のお父さん=金持ち父さん

という表現をしていて、

 

筆者のお金に関する考え方は全て

友人のお父さんから学んだというわけらしい。

 

ちなみに私は小説とかは大好きなんだけど

自己啓発本は苦手。

読んでも途中でやめてしまうタイプ。

 

この本はオットから半強制的に読まされた・・・

なんていうと表現が悪いけど(笑)

そんなかんじ。

 

読み始めてすぐに気づいたのは

「あれ?自己啓発本ぽくない」ってところかな。

 

筆者の生い立ちからはじまって

どんなふうに金持ちになる方法を学んでいったか

実践したかが書いてある。

 

押しつけがましくなくて

意外とすいすい読めた。

 

偏見強めなわたしのアメリカのイメージは

投資じゃんじゃん、株もバシバシ買うという

お金に対して恐怖心なんて皆無なんじゃないかと。

でも、現実はそうではないようで

大多数の人は安定した仕事に就き、こつこつ働いて貯金をしていくことが

正である考えだという。

 

なんと、わたしと一緒だ!

っと勝手に親近感を覚えた。

貧乏父さんに対して。。。

 

よって、この本によれば

わたしは金持ちにはなれないらしい。

 

 

***

 

資産と負債についてたびたび図を入れながら

説明されている。

 

筆者は家は資産ではない、負債であるという考えらしい。

はじめは「え?」と思ったけれど、

詳しく読んでみたら納得した。

 

本にある貸借対照表のとおり

筆者の理論に基づいて

自分の今持っている資産と負債を書き出してみたら

現状が見えてわかりやすかった。

 

 

いくつか要点があるけれど

コロナで世の中が大きく変わろうとしている今、

筆者の言葉で響いたのは

”自分のビジネスをもつ”かなと。

 

ただ、これがものすごく難しいと思ってしまった。

 

”自分がその場にいなくても収入を生み出すビジネス”

いろいろあるけど、株や不動産・著作権などがある。

今のところは株くらいしかないけど、コロナの不況でどうなることやら。

 

 

あと、この本でよいと思ったのは

やらないほうが良いことはハッキリ伝えてくれるところ。

不動産投資は不動産に興味がないならやらないほうが良い、とか

よほどのやる気がないかぎりは起業しないほうが良いとか。

 

非現実的なことを押し付けることなく、心配りがあるように感じたかも。

 

一冊とおして

新しい全く違ったお金への考え方を知るきっかけになった。

 

 

金儲けをするとか何をするにしても

大事なのは

自分が何をしたいか、どうしたいのか。なのかも。

 

 

おしまい

 

読書記録*ぞくぞく村の妖精レロレロ

今日は昨日の妖怪流れで

 

児童書を一冊。

 

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「ぞくぞく村の妖精レロレロ」

末吉暁子さん作

垂石眞子さん絵

 


 

 

もしかしたら昔読んだことがある人もいるかな。

ぞくぞく村のおばけシリーズ7作目だ。

 

内容は...

タイトルのとおり、

ぞくぞく村に住む

妖精レロレロさんが主人公のお話。

対象年齢は小学校低学年くらいだと思う。

 

村の憧れ、美人でスマートなレロレロさんにも

ある秘密があって...あとはご想像におまかせ。

 

小さい時、この本が大好きで

よくレロレロさんの絵を真似して描いていた記憶がある。

 

レロレロさんには

仲良し妹のメロメロがいるのだけど、

改めて(自称)大人になった今読んでみたら

メロメロは自由気ままな性格で

わたしの妹にそっくりだ。

 

もしかしたら

レロレロさんとメロメロさんの関係性が

自分に重なるところがあって

惹かれたのかもと。

 

大きな文字と絵やカラフルな色彩が

とてもポップで可愛らしい。

 

 

そして

ぞくぞく村は

シリーズなんと19冊も出ていることを

今更知ってびっくりした。

 

それぞれ主人公が違うのがまた面白い。

 

読みながら

お気に入りの主人公を見つけるのも

楽しいかもしれない。

 

 

この本を今プレゼントしてくれた妹へ、ありがとう。

 

おしまい。

 


 

 

 

読書記録*図説 日本妖怪大全 (水木しげる 著)

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昔から妖怪とかそういう類が好きで

もちろん、ゲゲゲの鬼太郎も大好きで見ていた。

 

大人になってから

ちょっとした好奇心で

妖怪検定を受けてみようかと思って

購入した本。

 

教科書の一冊として指定されていた。


 

 

その後、試験地が遠すぎたり色々で

検定は心折れてしまったけれども。

 

 

内容はというと、

日本全国の妖怪425種類が

解説されている。

 

1ページに1-2種類だから

およそ470ページにも及ぶ。

けっこう分厚い。

 

これを覚えて...と、

試験のことを思ったら

しっかり勉強しないと受からないかも。

 

 

ちなみに最近コロナで

"アマビエ"が流行っているけれど、

 

アマビエはどちらかというと

妖怪より神に近い感じかもと

解説されている。

 

予言をする同類には

「くだん」という妖怪もいるよう。

くだんは、牛から生まれると、すぐ何かを予言し、必ずそのとおりになるとか。

 

アマビエは熊本で発見されていて

くだんも九州・四国にいるという。

 

本当にいるのであれば

豪雨災害も予言してくれたら...なんて

欲深い人間だな。わたしは。

 

 

解説の所々に、

水木しげるさんの経験談

加わってたりするのだけど

物事への考え方、捉え方がとても魅力的。

 

何か不思議なことは

すべて妖怪の類であると。

 

常にそんな風に思って生きていたら

辛くても笑って乗り越えていけそう。

 

妖怪って

説明のつかない物事を

そうやって笑い飛ばすための

昔の人の知恵なのかな。

 

 

そういえば先日、

誰もいないはずの廊下で

電気が突然付いた。

 

見に行ったけど、

電気は消えたし

もちろん誰も何もいなかった。

 

 

これも妖怪の仕業かな。。。

 

 

おわり

 


 

 

 

 

読書記録*蒼穹の昴 (浅田次郎 著)

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数年前から

浅田次郎さんの本を全冊読む。

というのが目標。

 

いつ達成されるのか、

しかも

全部で一体なん冊あるのか

把握もせずに掲げている。

なんてこった。

 

初めて読んだ浅田次郎さんの本は

たしか「王妃の館」だったと思う。

これまた父に薦められて読んだ。

 

この一冊で

もっと読みたい!と思ったのがきっかけ。

 

王妃の館についてはまた今度。

 

 

***

 

今日はとりわけお気に入りの1つを。

 

タイトルのとおり

蒼穹の昴」全4巻の長編。

 

舞台となるのは中国、大清国。

主人公は貧しい家に生まれた李春雲。

春児(チュンル)という男の子。

 

春児はある日、占師の予言を受ける

"汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に治るであろう"(本文抜粋)

と。

 

その宿命を信じて

清まで実在した宦官という職につき

天下を統べるために進んでいく

というお話。

 

初っ端から漢字が多く

中国の言葉ばかりで読みづらいかもしれないけれど

物語として面白く

少し慣れればすんなり読んでいけた。

 

タイトルにある

"昴"とは

天宮を統べる、富と威の星。

 

気になって調べてみたら

ひとつの星ではなく星の集まりにつけられた名前のよう。

外国語ではなく、集まってひとつになる、という古くからある日本の言葉らしい。

枕草子にも登場するとか。

 

これは知らなかったな。

新しい日本語を手に入れた。

 

 

 

内容に戻ると

この物語に欠かせないのは

中国・清の歴史だと思う。

 

かの有名な西太后も重要な登場人物のひとり。

よく世界三大悪女とまで噂されるけれど

本当にそうだったんだろうか、なんて考えてしまう。

 

読みながら

ヒヤヒヤしたり

ウルウルしたり

熱くなったりして

 

春児から生きる強さを学べる気がした。

 

 

今あらためて1巻から読んでいるところ。

きっと前回とはまた違う言葉を拾えるはず。

 

 

おわり。

 


 

 

読書記録*ぼくのボールが君に届けば(伊集院静 著)

 

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とても好きな作品。

 

伊集院静さんの本も

もともと父が好んで読んでいたのがキッカケで

読み始めた。

 

今まで何冊も読んできたけれど

どれも綺麗。

綺麗、という

乏しい表現しかできないのが悔しい。

 

 

"ぼくのボールが君に届けば"

 

本屋さんでなんとなくタイトルに惹かれて

社会人なりたての頃に

初めて自分で買った本だったかな。

 

短編集が9つ入っていて

すべて野球をとおして

人と人とが関わり合う物語になっている。

 

正直、野球にはあまり興味がないけど

これを読んで

キャッチボールをしたくなった。

 

 

短編それぞれの主人公は

男性、女性、子供と色々。

 

どの作品も深くて綺麗。

とりわけ

同じ女性の物語に引き込まれた気がする。

 

1つ目の短編、

"ぼくのボールが君に届けば"では

夫と死別した女性が

ある父と子に出会って

あたたかい幸せを見つけていくお話。

物語の始まりがとても爽やか。

 

7つ目の短編、

"雨が好き"では

祖母、母、孫娘の3世代。

祖母の悔いを孫娘が受け止めるお話。

読みながら雨の音が聞こえてくる。

 

 

そして

短編ではないけれど

最後の最後、

角田光代さんの解説が好き。

 

とても的確で

この短編集の最後にぴったりだと思った。

解説までがこの本かな、なんて。

 

 

これからも

日々ふり返えるたびに

何度も読んでいきたい一冊。

 

きっとまたキャッチボールしたくなる。

 

おわり。

 

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読書記録*武田信玄 全4巻

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結婚をきっかけに

実家を離れることになって

父が貸してくれた本。

 

新田次郎さんの著書は初めて。

 


 

 

武田信玄といえば

誰でも一度は名前を聞いたことがあるくらいの

有名な戦国大名だけど

正直何を成し遂げた人なのか。。。

漠然と"すごい人"としか認識していなかった。

 

武田信玄の一生が

風の巻

林の巻

火の巻

山の巻

全4巻で綴られている。

 

縦読みしたら 

"風林火山"

 

全文は、

"はやき風のごとく

しずかなること林のごとししん

りゃくすること火のごとく

うごかざること山のごとし"

 

もともとは孫子の兵法。

この"風林火山"を使って

兵士の士気を上げ、

武田軍はこの言葉のとおり動き、恐れられる軍だったと。

 

信玄は中国の兵書をたくさん読んでいたようだけれど、陶酔していたわけではなく、文学的表現に敬意を払っていたそう。

戦術はきわめて常識的なもので、勝つためには軍を形成する個人にかかっているとして

そこから、人を作り・治めることを大事として甲州法度を作った。

人々が安心して暮らせるように。

 

 

武田信玄

もともと武田晴信という名前だったが

出家して武田信玄と名前を変えた。

 

晴信のスタートは

父である信虎を追放することから始まる。

 

信虎の奇行を見兼ねて

家臣と共謀し、父を今川家へ預けた。

 

武田家城主となった晴信は

そこから京へ昇るという目標へ向けて

甲州から関東へ勢力を広げていく。

 

 

新田次郎さんは

歴史小説

歴史に忠実であるべきという信念をもって

書いているそう。

 

所々に出典だとか、

細かな説明が加えられていて

小説としては初めての感覚だった。

 

物語として書くために

フィクションも交えてあることすらも解説が入っている。

 

小説を読んでいるのに

まるで新田次郎さんから話を聞いてるみたい。

 

信玄は戦の駆け引きでは天下に並ぶ者がいないといわれた名将だったそう。

そのためには、特に情報と金を大事としていた。

 

情報では、忍を各地に配置して、どんな時でも必ず報告を受けた。この武田家の忍として、山本勘助が知られているけれど、著者は架空の人物として考えているそう。

 

金においては、金で解決できるのであれば...と、戦をするより金の方が安いという考えで、金山採掘に力を入れ続けた。

 

情報と金が大事、というところは

今も昔もそれほど変わらないのかも。

何百年も前に生きていた信玄がこの考え方をしていたと思うと、いかに優れた武将だったか、よく分かる気がする。

 

武田信玄と同時期の武将としては

上杉謙信、足利家、今川家、小笠原家をはじめ

織田信長徳川家康、朝倉家、浅井家など

世に知られた武将たちが登場する。

 

特に上杉謙信とはライバルのように思えた。

秀才の信玄と、天才の謙信。

そんなふうに描かれているように感じた。

 

歴史のとおり、小説の結末も

最終的には滅びへ向かってしまう。

 

武田信玄がもう少し長生きだったら

日本の歴史は大きく変わっていたかもしれない、

なんて想像してしまう。

 

4巻の大作で

読むのは少し大変かもしれないけれど

どんな境遇の人にも

何かしら響く言葉が見つかるのではないかと思う。

 

私はもう少し長生きして、また読み返そうと思う。

その時何を想うかな。

 

 

おわり。