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迷ったら本を読む。

読書記録*蒼穹の昴 (浅田次郎 著)

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数年前から

浅田次郎さんの本を全冊読む。

というのが目標。

 

いつ達成されるのか、

しかも

全部で一体なん冊あるのか

把握もせずに掲げている。

なんてこった。

 

初めて読んだ浅田次郎さんの本は

たしか「王妃の館」だったと思う。

これまた父に薦められて読んだ。

 

この一冊で

もっと読みたい!と思ったのがきっかけ。

 

王妃の館についてはまた今度。

 

 

***

 

今日はとりわけお気に入りの1つを。

 

タイトルのとおり

蒼穹の昴」全4巻の長編。

 

舞台となるのは中国、大清国。

主人公は貧しい家に生まれた李春雲。

春児(チュンル)という男の子。

 

春児はある日、占師の予言を受ける

"汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に治るであろう"(本文抜粋)

と。

 

その宿命を信じて

清まで実在した宦官という職につき

天下を統べるために進んでいく

というお話。

 

初っ端から漢字が多く

中国の言葉ばかりで読みづらいかもしれないけれど

物語として面白く

少し慣れればすんなり読んでいけた。

 

タイトルにある

"昴"とは

天宮を統べる、富と威の星。

 

気になって調べてみたら

ひとつの星ではなく星の集まりにつけられた名前のよう。

外国語ではなく、集まってひとつになる、という古くからある日本の言葉らしい。

枕草子にも登場するとか。

 

これは知らなかったな。

新しい日本語を手に入れた。

 

 

 

内容に戻ると

この物語に欠かせないのは

中国・清の歴史だと思う。

 

かの有名な西太后も重要な登場人物のひとり。

よく世界三大悪女とまで噂されるけれど

本当にそうだったんだろうか、なんて考えてしまう。

 

読みながら

ヒヤヒヤしたり

ウルウルしたり

熱くなったりして

 

春児から生きる強さを学べる気がした。

 

 

今あらためて1巻から読んでいるところ。

きっと前回とはまた違う言葉を拾えるはず。

 

 

おわり。